世界を目指すIT少年の学習記録

世界を股にかけITを武器に暮らしていく!ことを目指す少年の備忘録。本のレビュー、勉強したこと、学んだことなどを記録していきます。

僕の考えるUXデザインのあるべき姿&UXデザイン入門書評

 先日こちらのUXデザイン入門を某マーケターに勧められたので読んでみた。

UXデザイン入門

UXデザイン入門

 

結論としてはおすすめ度は4くらい(5段階中)

初心者向き の本。だけど、これ一冊では概要はわかるけどね・・・ってなるところもありそう笑

 

何度も言っているが、神だと崇めている樽本さんによる

 ユーザビリティエンジニアリングを基本的に聖典としているため、それとの比較にどうしてもなってしまうが、以下記録していく

 

UXデザイン入門概要

ざっくりと、広くUXデザインのやり方を時系列順に紹介、解説している書籍。ただし、当たり前だがUXデザインは奥深いので、これを読んだだけでは、どのようにやっていくかまで深くは理解できないだろう。

目次としてはUXデザインをする順番になぞり

  1. UXデザイン概要(全体の俯瞰 序章)
  2. デザイン調査
  3. ユーザーモデリング
  4. ストーリーボード
  5. スケッチとプロトタイピング
  6. ユーザビリティテスト

となっている。

このなかでも特にストーリーボードとスケッチ はあまり樽本さんの本には書いてなかったので面白かった。

 

デザイン調査はエスノグラフィ調査(インタビューや実際にユーザーの現場に入って調査していく手法)を基にしたもので、その後のユーザーモデリングでペルソナを決めていく。ペルソナは基本KJ法で。

その後、ペルソナの行動をストーリーボードという形で視覚化し、それをもとにソリューションをスケッチとプロトタイピングで行う。

スケッチとプロトタイピングの違いは、スケッチがアイディアを拡散していくために使うのに対して、プロトタイピングは収束させていくのに使うということ。

そして、より大まかなUXが検証できたあとに、細かな調整をするためにユーザビリティテスト

という流れです。

 

ストーリーボードとは

ストーリーボードは1ドルプロトタイピングとかでつかった、4~6コマ漫画でのユーザーの行動に似ている。これをもう少し、実際の画面でどのようにユーザーが感じるかを具体的に書いていく感じ。

 

↓この図は1ドルプロトタイピングの手法

http://image.slidesharecdn.com/onedollarprototypeagilecamp-151002212305-lva1-app6892/95/agilecamp-silicon-valley-2015-one-dollar-prototype-29-638.jpg?cb=1443821245

http://image.slidesharecdn.com/onedollarprototypeagilecamp-151002212305-lva1-app6892/95/agilecamp-silicon-valley-2015-one-dollar-prototype-29-638.jpg?cb=1443821245

 

例えば、ECサイトでものを探すときは、

物を探そうとサイトに来る⇒検索する⇒見つける⇒クリックする」

というようなフローをとると思うが、これを書いていったのが、ストーリーボードである

 

個人的に良いと思うUXデザインのフロー

正直、個人的にはこのストーリーボードはスケッチとプロトタイプの間にくるべきだと思う。

なぜなら、スケッチが

「まだわからないソリューションに対するアイディアを探る段階」

であるはずで、つまりアイディアの発散フェーズであるはずなのに、このストーリーボードではすでにECサイトでこのような機能があって。という前提を置いて作ってしまっている。

これはまだソリューションが決まっていなのにできるはずはなく、不可解である。

 

ゆえに、僕は以下の手順を推奨する。

 

  1. デザイン調査
  2. ユーザーモデリング
  3. ブレスト&スケッチ
  4. ストーリーボード作成
  5. (ユーザーインタビュー:ミニ仮説検証)
  6. プロトタイピング(ローファイ)
  7. ユーザーインタビュー(UX検証)
  8. プロトタイピング(ハイファイ)
  9. ユーザーインタビュー(UX検証)
  10. ユーザビリティテスト

または

  1. デザイン調査
  2. ユーザーモデリング
  3. ブレスト&スケッチ
  4. ストーリーボード作成
  5. プロトタイピング(ハイファイ)
  6. ユーザーインタビュー:仮説検証
  7. ユーザビリティテスト

※ただし、3,4,5,6は何度も繰り返されることがある

 

上で5を括弧書きにしたのは、以前このような超ローファイ(おもちゃに見えるようなもの)でユーザーインタビューをしたときに、あまり良いフィードバックが得られなかったからである。

例えば、4~6コマの漫画のようなものを見せられても、ユーザーとしては

「うーん なんかいい気がする」くらいしか言えない。

またローファイだけでもユーザビリティテストは可能であり、特に致命的欠陥レベルの大きなユーザビリティの欠如に対してはなるべく早めに知るために、ローファイでできたほうがいいかもしれない。

 

また3のブレスト&スケッチはIDEO

発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

で行われていた手法である。

 

ローファイVSハイファイ

の論争は多く上がられているが、最近の傾向としてはハイファイをいきなりやっちゃってもいいんじゃないというのが主流みたい。

というのも以前よりも、ハイファイを作るのにコストと時間がかからなくなってきていて、Cacooだったり、ほかにも様々な良いプロトタイプ用のソフトが世の中にあるからである。とInspired: 顧客の心を捉える製品の創り方の中でも述べられている。

 

そして、実体験としても、身近にインタビュー対象者がいる場合で、一日に何人にも会えるという状態でない限り、ハイファイのほうが良いという風に思う。

 

なぜなら、ハイファイを作るための時間よりも、人をリクルーティングする時間のほうが圧倒的に長いので、どうせつくるなら持ち運びも容易で、フィードバックも多くなるハイファイのほうが良い学びが得られるからである。

 

結論

UXデザインの本を読んだだけでは大抵わからない。

ワークショップでもいいからとにかくやってみること。

できるなら自分のプロダクトでやってみること。

 

やってみるとUX的手法の難しさをより感じるはず。例えばインタビュー手法一つとってもすごい難しいし深い。

そして、インタビュー対象者を連れてくるのがすごい大変!というUXデザイン以前の問題に突き当たることもしばしばある笑

 

僕はなんだかんだ3か月から半年間くらいは、ユーザー中心主義のアプローチのUXデザインを素人なりにいろいろやってみて多くを学んだ。

 

そして今は逆にスティーブジョブズ的アプローチ(デザイン主導主義)もやってみて、あ~やっぱりユーザー中心主義って大事だなって思っている笑

両方の側面を知っていることはいいことだね!

 

いろいろ試してみよう!Let's do it! Why not?主義