リーン的視点「アジャイルサムライ」まとめ
今更ながら2011年に出版された
Jonathan Rasmusson著の
「アジャイルサムライ」を読み、今まで読んできたリーンスタートアップシリーズ
そしてリーン信者として新しい発見があったのでそこの部分をピックアップして
まとめてみようと思います。
- 作者: Jonathan Rasmusson,西村直人,角谷信太郎,近藤修平,角掛拓未
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2011/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そもそもリーン手法とアジャイル手法をほとんど同じような属性に存在していて、
違いはアメフトとラグビーみたいな感じじゃないかと(アメフトとラグビーやっている人からすれば、ものすごい違うんだと思いますけども、、笑)
1.ざっくりまとめるアジャイルの特徴
ざっくりいうと
デザイン思考、リーンスタートアップと共通するように
「目標がどこにあるかわからなくて、不確定な道のりだから柔軟に進んで行こうぜ!そのためには一つ一つのタスクを小さく分割して、小さく進んで行く必要があるよね!」
っていうもの
アジャイルの特徴としては
基本的に一週間を区切りとして、何か成果を出す。
そしていつでも、リリースできる状態にあれ。
というところがリーンと違うかなと。
いつでもリリースできる状態というのはどういうことか。
というと
今までは「分析、設計、実装、テスト」を左から右へ順番に完了していた。
そうすると
例えば分析はできているけど、設計はできていない。
実装はできているけど、テストはできていない。
というのが起こります。
それに対してアジャイルは
「分析、設計、実装、テスト」を縦割りにして、同時に進んで行けるようにした!
そうすると、常に他の工程と独立して進むことがなくチーム全体で進んで行けるよね。と
こうするとより不確実性の高いゴールに向かって、小さく何回も軌道修正してすすんでいける。
ということ。
これらはリーンにも共通しているけれども
それぞれのプロジェクトメンバーはより「柔軟に機能横断的な幅広さを持つ必要」があります。
これはきっと大企業よりもスタートアップのほうが向いている組織体制になっているよね。と思います。
2.インセプションデッキ みんなを同じバスに乗せる
じゃあこの今までにない形の組織をどうまとめていくか。
というときに全員が同じ方向を向く必要があるよねということで。
そこで使われるのが
「インセプションデッキ」と呼ばれるもの。
「インセプションデッキ」の内容としては、
1.我々はなぜここにいるのか
→これはプロジェクトの本当の目的、そしてビジョンの部分
2.エレベーターピッチ
→30秒でプロジェクトを説明するとしたら?
3.パッケージデザイン
→プロジェクトを視覚化しよう!2に似ているもの
4.やらないことリスト
→やることを見つけるのは簡単だけど、やらないことを明確にするのは非常に大事。選択と集中をしなければ良いものはできない。
5.ご近所さんを探せ
→これはアジャイルなチーム作りをするにあたって、必要な人を集めてこようよ!ということ
6.解決案を描く
→3とほぼ目的は同じ
7.夜も眠れない問題
→もっとも怖いリスクはなんだろうか?これはYcombinatorのポールグレアムも良く言っていたね。但しここで、経済の景気とか自分たちでなんともできないものを話あうのは意味がない。
8.期間を見極める
→プロジェクトに明確な期間があるなら考えなければね。
9.何をあきらめるのか
→四天王「時間、予算、品質、スコープ」
これらの中で何をあきらめるか?
それはスコープだ。スコープのみをあきらめる対象にする。
これも同様に選択と集中。リーンでいえばMVPだろう。
10.何がどれだけ必要か
→全体的に何が必要かを把握しなきゃね。
3.アジャイルな計画の立て方 あてずっぽうの奥義
これが最も衝撃的だった!
リーンスタートアップには計画の見積もり方はほとんどのっていない。
もちろんProblem/Solution fitやProduct/Market fit
または課題検証、ソリューション検証、MVP検証
共感、定着、拡散、収益、拡大
いろんな言い方がありますが、あくまで大枠のマイルストーンでしたね。
でもやってて思うんですが、確かにリーン的に進めると大枠のマイルストーンくらいしか決められない。(ぶっちゃけ)
なぜって、仮説がどんどん変わって、不確実だからそもそも時間っていう軸で計画を立てることはほぼ不可能である。または時間で区切ると何かをあきらめる必要がある。(例えばサービスの質とか)
アジャイルもそうでしょう。
そこでアジャイル的な計画の立て方は
「計画を絶対数である時間や期間で決めるのでなく、
相対的なポイントや大きさでは決める!」
ということです。
これは目から鱗でした。
例えば
A、B、Cという機能をつけるというときに
従来型
Aが3日、Bが5日、Cが10日 かな
と決めていました。普段行っている当たり前のことなら、それでできるかもしれません。
だけど初めてやることだったり、計画がどんどん変わっていくと時間に縛られて、自分たちの墓穴を掘ることになります。
アジャイル型
Aが3ポイント、Bが5ポイント、Cが10ポイント または
Aが小、Bが中、Cが大
このように相対的な大きさで計画を見積もると。
そうすると仮にAが6日間かかってしまった!
となっても、そうしたらBは10日間くらい、Cが20日くらいだね。
となるわけですね。
こうすると時間に縛られ品質を落とすとかいうことは起こりづらくなる。
ということがあります。
もう一つアジャイルのポイントは
それぞれのタスクをカード一枚に書けるくらい、小さく分割する。
そしてそれらを優先順位をつけて並べる
というものがあります。
これと上記のポイントをつけていくことで、タスクの量などが可視化され
プロジェクトも進みやすい! みんなうれしい!
っていうことです。
他にもテスト駆動開発とか書いてありましたが、
リーン的な視点から読むとここらが重要かなと。
アメリカで学んだ科学的にクリエイティビティを育む方法(CIVモデル)
- 好奇心を育む
- 問題や課題を機会だと捉える
- 問題を探す
- 固定概念やフレームをもう一度組立てなおしてみる
- 深く理解する
ウィズダムを使う(違うモデルやテクニックを使ってみる、フレームをもう一度組み立て直す)
- 授業の内容を記録する
- 気づいたアイディアを常にメモする
- なんでだろう?と思ったことをメモする
- 問題や課題に気づいたらメモする
- 知識をためる
- 類似したものをくっつける 類推する
- アイディア出しのテクニックを使う
- 発散する(悪いアイディアもとっておく)
- 収束させたり選定するのを我慢する
- まずはじめやる
- リスクをマネジメントする
- プロトタイプを作る
- モデル化する、分析する
- リソースを整理する:人々とコラボする、時間を管理する、お金をかける
- 忍耐強くやり続ける
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How to Think Like Leonardo da Vinci: Seven Steps to Genius Every Day
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- ジャーナル(メモ帳)をいつでも常に持ち歩き考えやアイディアをかく
- テーマに関して良く観察してみる 例えば「コミュニケーション」をテーマにしてみて一日中それに関して観察してみる
- 問題を一つピックアップしてそれに関する考えを休みなく書き続ける(編集してはだめ 書き続けること)
- 経験の詳細な描写をしてみる
- 匂いをどのように描写するか学ぶ
- どのように描くか学ぶ
- 違う音を聞いてみる あなたの周りの普段聞かない音を聞く
- その瞬間を生きてみる その時の幸せを大きく感じてみる
- 曖昧さと仲良くなれ 特に意味のないことをする時もそれを受け入れる
- 二つの正反対の概念の関係を問う 例えば最も楽しい時と悲しい時の相関関係とか
- ソクラテスの方法を試す 可能性を探ること 答えを出して問題に答えるのでなく疑問をなげかけて答えを見出す
- まったく関係ないものの関係を見つける 例えばクマとWWWのインターネットの関係
- あなたのロールモデルと話しているのを想像する
- どのように物事が組織されているかを考える。